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「それが団体の見解だ」あくまで傷害の認識を否認するベスーン被告にいらだつ検察官 SS元船長第3回公判(産経新聞)

【法廷ライブ SS元船長第3回公判】(5)

 《環境保護を標榜(ひょうぼう)する米団体「シー・シェパード(SS)」抗議船の元船長、ピーター・ジェームス・ベスーン被告(45)に対する被告人質問。約90分の休廷を挟んで、審理が再開された。ベスーン被告は傍聴席を見回しながら入廷。拘束を解かれ、証言台の席についた。多和田隆史裁判長が「反対質問から始めます」と告げると、傍聴席から向かって左側の男性検察官が立ち上がった》

 検察官「それでは検察官から。質問をよく聞いて答えてください。あなたは弁護士からの質問に答えて、二度と南極海でのキャンペーンには参加しないということでしたね」

 被告「イエス(はい)。おそらくないと思います」

 検察官「『おそらく』というと、決意したほどではないと?」

 被告「20年先のことまでは、断言できません」

 検察官「どういう理由でいま、そのように(二度とSSの活動に参加しないと)考えているのですか」

 被告「自然保護活動では、ほかにも私が参加できる活動があるからです」

 検察官「反捕鯨活動として、南極海以外での活動は続けるのですか」

 被告「現段階では、どのような活動をするか、はっきりと決めていません」

 検察官「SSのメンバーではあり続ける?」

 被告「分かりません」

 《検察官は腰に手を当て、追及口調でベスーン被告に質問を投げかけていく》

 検察官「逮捕されてからきょうまで、けっこう時間がありましたね」

 被告「はい」

 検察官「人生の中でのSSの位置づけや、これから先のことを考えたと思いますが、まだ結論は出ていないと?」

 被告「いま、本を執筆中で、半分くらいまで執筆を終えました。ニュージーランドに戻ったら、さしあたって執筆を続けます。その後の行動は、まだ決めかねています」

 検察官「SSの南極海でのキャンペーンは、適法だったと思っていますか」

 《ベスーン被告はしばらく沈黙したあと、舌打ちをした。続けて、こう答えた》

 被告「それがどれほど適法かということについては、捕鯨活動自体が、どれほど適法であるかと同様だと思います」

 検察官「あのね、目的が正当でも、手段が不当であることもあります。SSの手段は、不当だと思いませんか?」

 《ここで、弁護側が異議を唱えた。検察官の質問が、被告人へ意見を求めるものであり、弁護側が行った主尋問の範囲を超えている、という。だが、多和田裁判長は異議を棄却した。検察官が質問を続ける》

 検察官「端的に聞きたいのはね、あなたがSSの南極海キャンペーンを今後、やらないだろうと思うのは、それが不当、不法だと思うからなのか、どうなのかということです」

 被告「私が貢献しうる分野、活動がほかにもあると思います。ただ、今のところは断言できません」

 検察官「あなたは、『人を傷つける活動と分かっていれば、そんなことはしない』と弁護人の質問に答えていますね?」

 被告「その通りです」

 検察官「いま現在のあなたの知識で、おなじような活動をしようと誘われたら、『人を傷つけるから』という理由で、『やらない』という判断になりますか?」

 《ベスーン被告は「はい」と即答。その上で、「他人に傷害を負わせる可能性があるとしたら、そのような活動には参加しません」と続けた》

 検察官「酪酸(らくさん)という物質それ自体が、人を傷つける可能性があったということは、起訴前の取り調べで、検察官から聞かされたことはありませんでしたか」

 被告「はい。確かに検察官からそう言われました」

 検察官「その際、ILO(国際労働機関)やWHO(世界保健機関)が関与してつくっているデータを見せられましたよね?」

 被告「はい」

 検察官「そのデータを見てもなお、酪酸は人を傷つけるものではない、といま現在も考えているのですか」

 被告「私が資料で見せられた濃度の酪酸なら、人を傷つけることはあると思います」

 検察官「資料では濃度について触れていなかったのでは?」

 被告「私の理解では、純粋な酪酸でした」

 検察官「酪酸の濃度で、危険性に違いがあると理解していると?」

 被告「そうです」

 検察官「過去のSSのキャンペーンで、酪酸で日本人船員(乗組員)にけが人が出たと、取り調べの際に検察官に聞かされましたか」

 被告「はい」

 検察官「この公判で、検察官が弁護人に開示した証拠にも、酪酸の被害に触れたものがありますが、それについては聞いていますか」

 被告「ノー(いいえ)」

 検察官「弁護人からは聞いていないと?」

 被告「いま、検察官がおっしゃった特定の証拠については、覚えていません」

 《ここで検察官は、ベスーン被告が初めて酪酸という物質を知ったとされるテレビ番組「ホエール・ウォーズ」について質問を始めた》

 検察官「ホエール・ウォーズの中でも、日本側が『酪酸でけが人が出た』とアナウンスする場面が、はっきり映っていますが、それは見ていないのですか」

 被告「はい。私が初めて見たのは、検察官が取調中に見せてくれたものです」

 検察官「あなたのいまの知識では、ホエール・ウォーズの中で、そういう場面があったのは知っていますね?」

 被告「はい」

 検察官「弁護士への答えとして、『SSは酪酸で人を傷つけたことはない』と言っていましたね?」

 被告「はい」

 検察官「日本側が何を言おうと、それはウソだと思っているということですか?」

 被告「違います」

 検察官「では、『SSが酪酸で人を傷つけたことはない』と言ったのは、なぜ?」

 被告「それが団体(SS)の見解だからです。それに私は、詳しい事情を知りません。私は見せてもらったものだけしか知りません」

 《検察官は、「団体の見解」という言葉に踏み込んでいく》

 検察官「この場では、団体の見解ではなく、あなた自身の見解が聞かれているのです。理解していますか?」

 被告「はい」

 検察官「だとすると、弁護士の質問に対する答えは、訂正すべきではないですか?」

 被告「…具体的に、どの供述ですか?」

 検察官「『SSが酪酸で人を傷つけたことは過去にない』と言った、そのことです」

 被告「…。私はiPod(アイポッド、携帯音楽プレーヤー)で見せていただいた以外のことについては知りません。そもそも、私の行為で、ああいったけが人が生じたとは思っていません」

 《起訴前の取り調べの際に、検察官はiPodを用いて、「ホエール・ウォーズ」の場面を見せたようだ》

 検察官「今回のキャンペーン以前のことは知らないと?」

 被告「はい。酪酸の被害については、iPod以外のことは知りません。それ以来、ずっと拘束されているので」

 検察官「あのね、酪酸で過去にも被害が出てたかどうかは、大事なことだと思いますが、あなたはその点について、確認しようと思わなかったの?」

 被告「いいえ。過去に酪酸による被害について聞いたことがなかったので、聞きませんでした」

 検察官「つまり、検察官や船員から(酪酸は危険だと)言われたことは、軽くみて、聞き流していたということ?」

 《ここで、多和田裁判長が質問を遮った。検察官の質問が、ベスーン被告のどの時点での認識を尋ねたものなのかをはっきりさせたかったようだ。検察官が質問をやり直す》

 検察官「事件当時のことで確認しますね。さっきの話では、酪酸で人をけがさせることは、過去にはあるとは聞いてなかったんですね?」

 被告「はい」

 検察官「SSのメンバーはいっぱいいると思いますが、彼らも酪酸で人をケガさせる可能性は気にしていなかったと?」

 被告「そうです。それに、安全なものだと説明されていました」

 検察官「酪酸で人を傷つけたことが過去にあったのかどうか、あまり気にならなかったのですか。あなたがそれを確認しようと思ったのか、それとも聞き流していたのか、その確認です」

 被告「私にとっては、懸念の対象です」

 《ここで検察官は、質問の方向性を変えた》

 検察官「きょう、この法廷では、正直に本当のことを話している?」

 被告「はい」

 検察官「日本で逮捕されてから、起訴されるまでの取り調べでは、本当のことを話していた?」

 被告「はい」

 検察官「取り調べの際に、あえて事実と違うことをいったことは?」

 被告「いいえ(ありません)」

 検察官「あなたの供述調書は、通訳人が英語で通訳して、あなたに内容の確認をしましたね?」

 被告「はい。納得いく内容でした」

 検察官「自分の言い分として、『これは間違いない』と署名しましたね?」

 被告「はい」

 検察官「この公判の1日目に、検察官が供述調書の内容を説明しましたが、何か『違う』というところがありましたか」

 被告「覚えている範囲内では、ありません」

 《ベスーン被告は、検察官に視線を向けながら答える。少し耳が赤くなっているのが見える》

 =(6)に続く

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